人材派遣事業をはじめていろいろと勉強しながら建築業界の今後について考えています。
未来のことを考えたとき、当然ながら現状の問題点を抜きにして語ることはできません。
建築業界の現状の問題点は、以前ブログでも書きました(こちらからどうぞ)。
第一に、低水準の報酬(低収入)を問題点としてあげました。
建築設計という職業および職能というものは報酬を低くしなければならないほどのサービスしか提供できないものなのでしょうか?
自分が身を置いている業界であるということを抜きにして、客観的に冷静に考えて、それは違うと思います。逆に、設計という職能は極めて高級なサービスの一種であると思います。
ただ問題なのは、その設計の質を見極めることができる人がとても少ないということだと思います。実はそのくらい、高い技術、深い配慮を要する職業であると思います。
バランス感覚(都市景観、近隣との調和、コスト感覚)、
広範な一般常識(土地の気候、風土、地盤条件、インフラの整備状況)、
技術(構造的な知識、設備的な知識、自然現象の熟知)、
センス(デザイン、動線、トレンドの把握、最新商品知識、風水学)、
配慮(防火対策、防音対策、漏水対策、非難経路)、
アフターケア(メンテナンス方法、クライアントとの対話、ヒアリング)
などなど・・・
設計者に要求される能力は極めて広範で、きめ細かい配慮が必要な決して誰にでもできるような仕事ではありません。
では、なぜ報酬が低いのでしょうか??
それは、先に述べたように、設計の質を見極めることはかなり勉強しないと難しいのです。。
設計者と同様程度の知識を持たないと、設計者の細かい配慮は理解されません。
なので、厚化粧された建築(視覚的な建築)に興味を奪われてしまうのです。
厚化粧は、お金さえかければそれほど難しいものではありません。厚化粧にもセンスは要求されますが、それは設計者に要求される能力のほんの数パーセントにすぎません。視覚的なインパクトを追求することで、クライアントを手っ取り早く捕まえることができ、メディアにもアピールし易く、そして最も重要な設計そのもののハードルを低くすることができます。
これが、まさに現在の建築業界であるとわたしは考えます。
商業主義が生んだ産物です。
「じゃあ、おまえはなんで人材サービスなんて最も商業主義的なことやってるんだ!」
なんてお叱りを頂いてしまいそうですが、、
個人的には、答えは見つけているつもりです。。
歪んだ業界では、労働力と雇用のバランスがとても崩れているものです。
人に例えれば、栄養過多になって脂肪がつき過ぎて代謝が悪く病気がちになっている状態かなと思います。
代謝を良くするためには、血行を良くする必要があります。運動をしたり、食事に気をつけたり、ストレスをためないようにしたり方法はいろいろあります。
建築業界にとって、血行の流れを良くすることは、お金の流れを良くすることにつながると思います。
つまり、労働力と雇用のバランスを整えてあげる必要があるのです。
わたしは建築が好きです。人一倍好きな自信があります。理由は分かりません。。好きなんです。
しかし、建築が病んでいる今、好きだからと設計を続けていても信念とは違う大きな力に間違った方向にどんどん進められてしまうような気がします。
病気のとき、好きな食べ物を食べてもそれは病気の元(ウィルスや悪性の細胞など)に餌を与えてしまうということと同じです。病気のときはガマンもとても大事なんです。
以前ブログで、制度で報酬の最低水準を設けることを提案しました。
これは、本音を言うと、建築の病み方が末期的なのでカンフル剤を使わざるを得ないという意味です。
人の体も理想は自然治癒です。ですが、現状は自然治癒を期待できる状態になるまでに時間がかかりすぎて逆に危険だと思うのです。
カンフル剤を投入しつつ、人材の流動性を高めることが、建築業界の血行を良くする治療のひとつだと考えています。なので、治療の効果が見えてくれば、当然ながら大好きな設計にもっと力を入れていきたいというのがテンポールの思想です。
ひとりよがりかなぁ・・とたまに悩みますが、最近はこの思想にも自信を持ってプレゼンできるようになりました。
みなさまのご意見もお聞かせ頂ければ幸いです。