いつのまにか梅雨があけました。
毎日蒸し暑いですね。
体調には気をつけて頑張っていきましょう!
さて、
6月20日に建築基準法等の法改正が行われて
現在建築設計業界は混乱している真っ最中です。
A歯氏の事件による影響で構造設計に関する事項は
得に大改正となっています。
確認申請に提出する書類の基準などが曖昧なのと
構造計算基準の要旨がまとまっておらず、基準要項は年末以降
に書籍になるというはちゃめちゃな状態での法改正です。
構造設計者は、作業増分の費用を割り増しできずに
設計を強いられているケースもあるようです。
弊社も構造設計をするので、問い合わせはいろいろあるのですが、
お断りせざるを得ない案件ばかりなので悲しいですが悪役に徹しています。。
困ったものです。
なぜ、こんなに混乱しているのでしょう?
それは間違いなくこれまでの業務体系に無理があったからです。
その無理を今までの確認申請という制度は許容できる(せざるを得ない)
ものだったので、何とかなっていただけなんです。
今回の法改正で、確認申請が厳格化されたことは
無茶しすぎていた業界を正す意味では良いのですが、
確認申請に設計が制限されすぎる部分で無理のある改正です。
誰でも、
「作業は増えるけど、報酬が増えるかは分からないからよろしくね!」
なんていきなり言われて黙っているわけがないですよね。
全産業の業種別で見ても改正前でさえ建築は最下位になることもある
低報酬の業界なのに、それに追い討ちをかけられたような感じです。
建築に関わりの無い方々はご存知ないかもしれませんが、
今回の法改正はそんな感じなんです。
日本版ホワイトカラーエグゼンプションの法案が出たとき、
残業代ゼロ法案という解釈がされてしまって、
業種を問わず労働組合が猛反発して法案は白紙に戻りました。
建築基準法等の改正については、実態を知っている建築業界の人間だけが
猛反発しましたが、耐震偽装問題の再発防止という名目で一般を
見方に付けて国が強引に押し切った感のある法改正です。
そんなわけで、
強引ながらも施行された法改正ですが、
今まで通り設計をしていたら、間違いなく設計者は生活できませんので、
いろいろとこれまでの悪い慣習は変えなければなりません。
そこで、やっと今回のテーマ。。
「設計期間」についてどのように変わらなければならないのか?
を考えます。
これまでの建築設計の流れはおおまかに、
クライアントが設計者に依頼
↓
基本設計、提案
↓OK
設計契約
↓
確認申請、実施設計
↓
許可
↓
建築着工
となります。
今回の法改正で問題となるのは、「確認申請」です。
確認申請とは、
設計図書の法規チェック、構造チェック、設備チェックなどをして
問題ない建物かどうかを審査機関(役所など)が審査するものです。
改正前は、A歯事件でもご存知のように
確認申請とは名ばかりの「ザル」的審査だったので
設計業務に占める確認申請のウェイトはとても低かったのです。
それを悪用した設計者も少なからずいたので問題になって
今回の改正で確認申請が厳格化されました。
厳格化されたことで、図面の不適合などは申請のやり直しが
義務付けられるようになりました。
不適合なら、当然じゃんと思う方もいるかもしれませんが、
これにはいろいろと根が深い問題が多々あります。。
以前からブログでも取り上げているので詳しくは
バックナンバーをご覧頂きたいのですが、
設計者には、意匠、構造、設備と三者が関わります。
一般的に設計者というと意匠設計者のことを呼んでいます。
(設計者全体で意匠設計者が9割ほどを占めているので)
クライアントは意匠設計者に設計を依頼するのですが、
意匠設計者は構造設計や設備設計はできません。
なので、意匠設計者が設計契約を得た時点で(もしくはその前から)
構造設計や設備設計に外注をする手順になります。
それから、構造や設備を踏まえて意匠設計を修正して
法に適合して、構造的にも安全で、機能を兼ね備えた
設計を行っていくのですが、これはまともにやっていると
とんでもない時間がかかる作業です。
なので、改正前の設計のやり方は、
確認申請時点では、設計の整合性が取れていなくても
チェックが甘いから許可が下りる可能性が高いので
着工してから、施工者も交えて設計の整合性を取っていく
というやり方が大半でした。
そのほうが、実際に作られる建築に対して時間を割くことが
できるのでメリットはあったと思います。
しかし、法改正で確認申請の段階で意匠、構造、設備とも
不整合なく申請図書でそのまま施工できるような精度を
要求されるようになりました。
これは、これまでに行われてきた建築業界の慣習を考えると
極めて不合理な要求なのです。
それは、建設業界の体質にも問題がありますが、
確認申請の段階で施工者を決めて作り方まで考えないと
設計というのは、施工者の意見を取り入れていかないと
良い建物はできないんです。
でも、確認申請で確認済証をもらえなければ建築できないので
順序がひっくり返ってしまいますが、やむを得ずそのような
手順で設計を行うと、
クライアントが設計者に依頼
↓
基本設計、提案
↓OK
設計契約
↓
構造、設備、施工で設計調整
↓
見積り
↓OK
確認申請、実施設計
↓
許可
↓
建築着工
という感じで、着工までの期間が長くなります。
期間としては、今までの見積りまでの期間と同じとすると
2倍以上の期間は必要になると思います。
これまた、建設業界の悪い体質の一つですが、、
同じ設計図書でも建設会社の見積り金額は会社によって
まちまちです。
同じ建物でも、建設会社によって安くもなり、高くもなります。
根拠はよく分かりません・・・
なので、設計が完成してだいたい建設会社数社に見積り依頼をして
建設会社を選定するのがこれまでのやり方でした。
でも、これからは折角確認済証を取っても、施工会社によっては
見積りで予算オーバーしてしまったりして、設計変更を余儀なくされると
再度また確認申請を行う必要があるのです。
建物を作るまでに、とんでもなく時間がかかりすぎると
クライアントの気変わりなども増えて、もっと設計変更作業などで
時間がかかってしまう恐れもあるような気がしています。。。
今回はここまでにします。
次回は設計報酬について書いてみます。



